少子化により中学生の総数は減少している一方で、中学生の不登校は増加傾向。親や教育者、さらには社会全体にとって深刻な課題となっています。
本記事では、中学生特有の
- 不登校の原因
- 不登校の兆候
- 適切な対応策・予防策
- 相談先リスト
について解説・ご紹介します。
中学生の不登校の原因
原因第1位は「漠然とした不安・無気力」(40%)
下記記事において不登校の原因について文部科学省が出している令和元年度の資料をもとに解説していますが、不登校の原因第1位は「漠然とした不安・無気力」(40%)となっています。
※令和3年度の調査では、「漠然とした不安・無気力」は約50%という結果でした。
ニュースで大きく取り上げられやすいため印象的な「いじめ」「教職員との関係」の割合は合わせても2%。
さらに「いじめ」だけに絞るとわずか0.3%で原因ランキング最下位という驚きの結果です。
なぜ「漠然とした不安・無気力」が圧倒的に多いのか?
答えは子ども本人・家庭環境によって一概には言えないのですが、中学生の不登校の共通点として非常に多いのは「過保護過干渉による、適応能力・問題解決力の低下」です。
「無気力・不安」が原因である生徒さんは、「通常、社会(学校)に出たら乗り越えていくべきことが乗り越えられない」という実年齢以下の精神的な幼さが非常に多く見受けられます。
過保護・過干渉の家庭では、子どもが本来獲得するはずの問題解決能力を先回りして奪っているのが事実です。
- 宿題の存在をよく忘れるので、毎回言ってあげている
- 病院で症状を聞かれたら親が答えている
- 本人の部屋の片付けや掃除はすべてやってあげている
これらの対応は一見「優しい親」に見えますが、実際には「子ども自身の力を信じていない」と子どもに伝えている状態です。厳しく聞こえますが、事実そうなのです。。。
中学生なら思考・判断できるであろうことも本人を介さず即座に親が代わってあげている状況が続くと、本人の自立は育まれないまま年齢だけ上がっていきます。
そして年齢が上がるにつれて求められる回数も増えてる「自己判断・自己主張」「自身で生活を整える力」が低いことを自覚し、自信をなくしたり無気力になりやすくなります。
この場合、家庭でのコミュニケーション方法を見直すことで大幅な改善が見込めます。
【命の危険や大けがにならない、他人に迷惑をかけない】
上記2点だけ注意し、その他のことに関してはぜひ子どもに失敗の経験をさせてあげてください。
特効薬ではないのですぐに効き目がある!というわけではありませんが、徐々に自分の力に自信を持てるようになった子どもは、ふとした瞬間に「(これくらいのことなら自分でできそうと見当がつくので)学校に行こう」という気持ちが生まれるようになります。
不登校の兆候と見極め方
子どもの態度や行動に変化はありませんか?
- 腹痛・頭痛などの症状
- 夜眠れない
- 食欲不振
- ちょっとしたことで泣き出したりパニックになったりする
- 不機嫌が続く
- なんだかイライラしている
- 集中力が下がった
- やりたい事や興味がなくなった
- 幼児化(赤ちゃん返り)、甘えが強まる
風邪など体調不良ではないのにこうした状況が頻発または継続しているなら、注意深く観察が必要です。
同時に学校や家庭内で何かきっかけになりそうな出来事はなかったか振り返ってみましょう。
【学校での例】
- 連休明け
- 学校の行事の練習が始まった
- 席替えがあった
- テストが近づいている
- 先生や友達とトラブルがあった
- 部活の大会が近づいている…etc
【家庭内での例】
- 夫婦喧嘩を子どもの前でしてしまった
- 必要以上に感情を混ぜて叱ってしまった
- 兄弟にばかりつきっきりになってしまっている
- 親の仕事で問題が発生してしまい対応に追われている(子どもの相手をする余裕がない)
- 忙しくて家の中が片づけられず散らかっている…etc
中学生の不登校をどう対応すれば良いか
子どもの気持ちを受け止める
まずは子どもの主張にしっかり耳を傾け、受け止めます。
このように正論や親の感情は抜きにして、ただそのままストレートに受け止めることに徹してみることで子どもは自分の気持ちを理解してもらえていると感じ安心することができます。
日常生活を見直す
睡眠時間や食事など日常生活を一度見直してみます。
- 昼夜逆転までいかないとしても、睡眠時間は7時間以上確保できているか?
- 朝決まった時間に起きられているか?
- 食事は栄養バランスよくとれているか?
- お菓子やジュース中心になっていないか?
もし夜寝る時間が後ろ倒しになって遅くなっている場合、朝起きる時間を一定にしてみてください。
夜寝る時間にこだわるよりも、朝起きる時間まで後ろ倒しにならなければリズムも戻ってきやすくなります。
食事面で最も重要なのは朝食です。昼や夜はある程度適当でも構いません。まずは朝食から整えてみてください。
親子のコミュニケーションを深める
親子の対話を増やし、子どもの気持ちを吐き出す機会を増やしてみましょう。
共働きなどで平日お忙しい場合は、休日一緒に食材をスーパーへ買いに行き料理をしてみるなど、日常の流れを一緒に過ごしてみてください。
ピンポイントで「何があったか話してごらん」と言ってもなかなか言いづらかったり、急に言われても頭の中が整理できておらず上手く伝えられない場合も多いでしょう。
子どもから話し出すチャンスを多く持てるよう、一緒に何か作業する時間を持つのがおすすめです。
学校との連携
学校と連携することは必要不可欠です。
学校での様子を知るためにも、担任の先生やスクールカウンセラーと密に連絡を取りあうことで家庭では気づかなかった子どもの悩みに気づくことも往々にしてあります。
また、勉強面においても欠席期間中の学校での進み具合を把握することもできます。
専門家に相談する
何よりも、親や家庭内で抱え込まないことが重要です。
学校はもちろん、第3者として教育機関や民間の学習機関などでもいいので、常に家庭と学校以外に1か所以上は相談先としてつながりを持っておくようにしましょう。
どのような相談先があるかについては次項でリストアップします。
カウンセリングや相談先リスト
地域の支援団体
お住まいの地域によって、窓口設置の有無や呼び名は様々です。
- 学校のスクールソーシャルワーカー
- 市区町村の子育て相談窓口
- 教育支援センター、適応指導教室
- 教育相談所
- 児童相談所、児童相談センター
- ひきこもり地域支援センター
- 発達障害支援センター
- 精神保健福祉センター
- 小児科・児童精神科
- 保健所
「地域名 不登校相談」などで検索するといくつか機関がヒットすると思いますので、いくつかのキーワードで調べて問い合わせてみてください。
民間機関
- フリースクール
- オンラインフリースクール
- 不登校児童生徒の親の会
- 民間の相談所(カウンセラー)
最近ではフリースクールもオンラインが進化し、家にいながら参加できるようなところが増えました。
また「親の会」という不登校の子どもを持つ(持っていた)親同士で交流のできるコミュニティに参加してみるのも新しい発見があるかもしれません。
民間のカウンセラーは多種多様であるため、何を目的に相談するかを明確にしてから選択すると良いでしょう。
ただ話を聞いてほしいのか?復学させたいのか?親が変わりたいのか?…
ただし民間の機関は有料であることがほとんどですので、信頼できる機関・人なのかどうか注意深く調べる必要があります。
学習支援機関
- 家庭教師
- 個人塾
子どもの学習支援機関でも親からの相談を受けているところがあります。
特に不登校生に特化している家庭教師や個人塾は経験値も豊富なのでおすすめではありますが、そもそも子どもが学習の意欲を持てているのか、など子どもの状態も加味したうえで無料体験など申し込んでみるといいでしょう。
【中学生の不登校】まとめ/無料相談のご案内
【中学生の不登校】原因
不登校の原因第1位は「漠然とした不安・無気力」(40%)。
過保護・過干渉の家庭では、子どもが本来獲得するはずの問題解決能力を先回りして奪ってしまい、「通常、社会(学校)に出たら乗り越えていくべきことが乗り越えられない」という実年齢以下の精神的な幼さが非常に多く見受けられます。
つい口や手を出してあげたくなるところはぐっと我慢し、子どもに失敗の経験をさせてあげてください。
※マナー違反や命の危険があるときはもちろん止めたり叱る必要があります。
【中学生の不登校】兆候
睡眠不足、食欲不振、興味関心やる気の低下などが続いている場合、注意深く観察が必要です。
【中学生の不登校】適切な対応策・予防策
日常生活のリズムなどを見直し、親子での時間を増やしてみます。
向かい合って話すよりも、料理や買い物など作業をしながらだと会話も進みやすいです。大人もそうですよね!
【中学生の不登校】相談先リスト
地域の相談窓口、民間相談機関や学習機関など不登校の相談先は近年各所で増加しており、リアルでのやりとりやオンラインでのやりとりなども状況や好みによって選択できます。
とはいえ、ネット検索では非常に多くの機関がヒットし、調べるだけで時間と労力がかかってしまうのも事実です。
「少し調べ始めたけど、結局自分たちは何から始めたらいいのかお手上げ状態」という場合には、ぜひ一度ご相談ください。
家庭と社会をつなぐ架け橋である社会福祉士として、さらに私は不登校に特化していますので、詳細な状況をお聞かせいただき、適切な機関へおつなぎするお手伝いをさせていただきます。
完全無料、その後の営業などは一切ありませんのでご安心くださいね。
親子の本当の笑顔を、一緒に取り戻しましょう。
それでは!