【不登校の原因ランキング】いじめはわずか0.3%!まさかの1位は?【文部科学省資料参考】

こんにちは、不登校専門社会福祉士の花辺です。

これまで不登校相談を100件以上受けてきた経験から、不登校について発信しています。

本記事では不登校の意外な原因1位をはじめ、不登校の原因についてデータをもとに大解剖していきます。

今回は文部科学省が出している令和元年度の資料をもとにお話ししていきますね。

目次

1.不登校の原因1位:「本人の不安・無気力」

よくニュースになる「いじめ」や「教師からの圧力」が原因の不登校の割合は、実はとても少ない数だということがわかるデータがあります。

国公私立小中学校における不登校理由の割合を見てみます。

いじめ0.3%
いじめを除く友人関係をめぐる問題15.1%
教職員との関係をめぐる問題1.6%
家庭に係る状況(家庭環境の変化・家庭内不和・親子関係)15.1%
本人に係る状況(無気力・不安39.9%
令和元年度文部科学省児童生徒の問題行動等調査結果公表資料より

圧倒的に「無気力・不安」が不登校理由の4割を占めて1位になっています。

こうしたデータをそのまま受け取られてしまわれるのが、「不登校は甘え」と言われる理由の一つです。

2.不登校の原因2位:「いじめ以外の友人関係」・「家庭状況」

そして本人に係る理由の次に多い理由が、いじめ以外の友人関係・家庭に係る状況です。

いじめ以外の友人関係では、

  • 「友達とちょっとしたいざこざがあって、顔を合わせにくい」
  • 「遊びに呼ばれなかったことが、嫌われたんじゃないかと気になって仕方がない」

というような、実は大したことないかもしれないが本人にとってはとても気になることで、それがきっかけで学校に行きづらくなることが考えられます。

家庭に係る状況では、

  • 夫婦喧嘩や兄弟喧嘩が絶えない家庭状況、離婚家庭
  • 祖父母と暮らすようになった、引っ越した、などの環境変化
  • 親と子が常に対立し、家が安心できる場所でない

などが挙げられます。

3.不登校の原因3位:「いじめ」・「教職員との関係」

不登校のきっかけと言われてまず思いつくのは、この「いじめ」「先生との不和」ではないでしょうか?

ニュースで大きく取り上げられやすいため、いじめや教員との不和は印象的ですが、「いじめ」「教職員との関係」の割合は合わせても2%。

さらに「いじめ」だけに絞るとわずか0.3%で原因ランキング最下位という驚きの結果です。

4.このデータで気づくこと:「学校へ行きたくないなら行かなくていい」は本当?

この数字を見て、不登校生徒への見立ては一概に言えないことがわかりましたね。

某少年YouTuberが「死ぬくらいなら学校へ行かんでいい!」と言っていたことがありましたが、私はずっと違和感を持っていました。

「無気力・不安」が不登校理由の1位という時点で、「死にたいほど学校に行きたくない」生徒はかなり限られた割合のはずなのです。

それなのに、不登校生全員に向けて「死にたいほど行きたくないだろ?」「ならば学校へ行くな!」という決めつけでは、その子の本当の解決にはなっていません

私も高校時代、同じ部活の親友と真っ向から大げんかをし、夜通し泣いて目が異常に腫れてしまいました。

「この顔で、しかも喧嘩中の親友がいる学校・部活になんて行けるわけない。とりあえず今日は休もう」と思っていました。

しかし私の母は「そんな時こそ行くもんだよ。今日休んだら明日もっと行きづらくなる。行けば何かしら前へ絶対進めるから」と。

結果、しぶしぶ登校。予想通り、目が腫れに腫れているのでみんなにびっくりされました。

でも、クラスの子や部活仲間はみんな心配してくれました。そのとき「私には親友以外にも大切な友達がこんなにいたんだ」と気づきました

最終的にその親友と普通に話せるようにはなりましたが、元通りの仲には戻れませんでした。

それでも、あの日登校して本当に良かったと思っています。

あの日登校していなければ、自分の中で色々な妄想を繰り広げ余計学校へ行くことが億劫になり、翌日も休み、また休み…となっていたかもしれません。

もちろんこれは私の例なので、誰にでも「行きたくなくても行くべき!」とは言えません。

しかし「無気力・漠然とした不安」という理由が1位である以上、背中を押してあげるべき生徒さんの割合は決して少なくないという事が、この不登校原因の割合を示したデータを通して見えてきた事ではないでしょうか。

5:今からでも「不登校不安」を抱える子と親ができること

「無気力・不安」が原因である生徒さんは、「通常、社会(学校)に出たら乗り越えていくべきことが乗り越えられない」という実年齢以下の精神的な幼さが非常に多く見受けられます。

この場合、家庭でのコミュニケーション方法を見直すことで大幅な改善が見込めます。

過保護・過干渉の家庭では、子どもが本来獲得するはずの問題解決能力を奪っているのが事実です。

  • 「靴下が上手くはけなくてイライラしそうだから、手伝ってあげよう」
  • 「今日は雨予報。傘をもっていかないと濡れてしまうから、持たせてあげよう」
  • 「コップのまま飲ませるとこぼすから、常に蓋つきのこぼれないコップであげよう」

【命の危険や大けがにならない、他人に迷惑をかけない】

上記2点だけ注意し、その他のことに関してはぜひ子供に失敗の経験をさせてあげてください。

上手くできなくてイライラしたら、どうすれば落ち着いてできるのか?深呼吸をしたり、いったん別のことをしたり、水を飲んだり、10秒間目をつぶってみたり。そんな解決方法を子ども自身が知ることで、今後似たような場面でも自分で解決していくことができます。

雨予報を見ずに傘を持たず、ずぶぬれで帰ってきたら?本人は風邪をひいたり大切なものがびしょ濡れになる経験をします。わが子のそんな姿を見ることはとても辛いですが、その経験で次はちゃんと天気予報を見よう、雲が黒いから念のため傘を持っていこう、と判断をするようになります。この経験をさせずに、大人になっても親が天気予報を見て傘の有無を教えてあげる、にわか雨があったら「なんで傘を持たせてくれなかったんだ!」と怒る大人も実際にいます。これでは一生親のせいにして生きることになり、親も子も幸せではありませんね。

特に幼児にはコップを持たせるのが敬遠されます。うちの子もよくコップに肘がぶつかって倒してこぼします(笑)しかし、だからと言って常に蓋つきのこぼれないコップだったら?その場では汚れず片付けや着替えもしないでいいので親も助かりますが、では保育園や小学校で蓋つきコップが出てくるでしょうか?どうすればこぼさないのかを知らずにきた子は、初めて学校で何度もこぼす経験をすることになり、恥ずかしさやコンプレックスにもつながりかねません。親が近くにいるうちの失敗なら、安心して失敗できます。

このように、失敗の経験を事細かに取り除いてしまっていたとしたら。

今からでも意識をして声掛けを減らしていくことで、変えられます。遅いということはありません。

もし過保護過干渉を治したいけど一人では難しい…とお悩みなら、私が最初のご相談窓口となりお話を伺います。

下記フォームより、お気軽にお問い合わせくださいね。

親子の本当の笑顔を、一緒に取り戻しましょう。

それでは!

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