2024年7月8日、「東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)」の受付が始まります。
不登校など学校に通えない子どもにとって、フリースクール等の教育機関は重要な学び・交流の場となりますが、平均月4万円という費用負担が家計を圧迫したり、そもそも経済的な理由でフリースクール等に通わせることができないといった声が少なくありませんでした。
そこで、東京都は経済的な支援を行うための助成金制度を導入。
本記事では、この助成金の概要や申請方法、利用条件などを詳しく解説します。
東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)とは?
東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)は、不登校の子どもがフリースクールや類似の教育機関を利用する際の経済的負担を軽減するために、月額2万円の助成金を支給する制度です。この助成金は、東京都に在住する不登校の児童・生徒とその保護者を対象に、学習環境の改善と教育機会の確保を目的としています。
なお、ここで言う「フリースクール等」には諸条件がありますが、特に下記に注意です。
- 「不登校支援を主たる目的としている施設」であること=インターナショナルスクールなどは不可。
- 「通所型施設」であること=オンラインフリースクールは不可。通所型施設であっても、オンラインのみで活動するコースを選択している場合、日曜日のみのコースや夜間のみのコースを選択している場合は不可。
なぜオンラインフリースクールは対象外、通所限定なのでしょうか…少しモヤっとしてしまいました。
助成金の支給対象
この助成金の対象となるのは、以下の条件を満たす児童・生徒およびその保護者です。
(1)子どもの要件
- 都内在住の不登校の小・中学生
- 日中にフリースクール等に通所していること(通所予定も含む)※夜間や休日だけの利用は対象外
在籍している学校やフリースクールの所在地は問われません。都内在住というのがポイントです。
欠席日数などの条件はありません。
(2)保護者の要件
- 都内在住の子供の親権者(親権者がいない場合には未成年後見人)
- フリースクール等の利用料を負担している
- 子供が在籍する学校と日常的に連絡を取ることができる(②と③が別の場合には、③の名前等を申告)
所得制限はありません。
助成金の支給額
フリースクール等の利用料に対して上限2万円を助成。
年間最大24万円の支給ということになるので、非常に大きいですね。
例えば…
- 利用料3万円の場合:助成金2万円+手出し1万円
- 利用料1万5,000円の場合:助成金1万5,000円(手出し0)
※入会金・施設維持費・教材費などは対象外
支給対象期間と申請受付期間
上記の通り、令和6年(2024年)4月分までさかのぼって適用可能です。
オンライン申請方法
本記事ではオンライン申請方法をご紹介します。
郵送申請も可能ですが、郵送申請を選択した場合は利用状況報告など今後の手続すべてを郵送で行う必要が出てきます。
できる限りオンライン申請をする方が、後々スムーズかつ手軽だと言えます(郵送料金も毎回となると馬鹿になりませんね!)。
①事前利用者登録をする
2024年7月8日の受付開始前でも、「事前利用者登録」が可能です(オンライン申請者のみ)。
専用フォームから、
- 申請者名(保護者名)
- メールアドレス
を登録すると、7月8日以降マイページへのログインが可能となった段階で、メールが届くということです。
②必要書類を準備する
申請者と児童生徒(小学生・中学生)が同一世帯か否かで必要書類が異なります。
本記事では、例として「申請者と子供が同居している・申請者が世帯主である場合」について記載します。
- 申請者と子供が同居している・申請者が世帯主でない場合
- 申請者と子供が同居していない場合
については、公式サイトをご確認ください。
必要書類は、<申請書類>と<必要証明書>のすべてを揃えます。
<申請書類>
- 交付申請書:マイページからの入力により作成(2024年7月8日以降)
- フリースクール等確認書:通所しているフリースクール等に記入してもらいます(PDF/Exelをダウンロード)
※フリースクールWEBサイト内で料金体系や活動目的が確認できない場合には、別途パンフレットやチラシなどの提出が必要になります。
<必要証明書>
- マイナンバーカードによる公的個人認証(カードをスマホにかざす)
- 申請者が子供の親権者等であることが確認できる書類1点:世帯住民票の写し(※)/子供の健康保険証/子供の医療証のいずれか
- 子供の住所が確認できる書類1点(上記で世帯住民票の写し以外を選択した場合のみ):子供のマイナンバーカード/子供の住民票の写し
- 世帯住民票の写しは、「申請時点で発行日から3か月以内」「世帯主・続柄は省略しない」「マイナンバー/住民票コード/本籍の記載がないもの」である必要があります。
- 住民票は、マイナンバーカードがあればコンビニで簡単に取得可能!
- マイナンバーカードによる公的個人認証をしない場合の必要書類については、公式サイトをご確認ください。
③オンライン申請フォームへアクセス(2024年7月8日以降)
<申請書類>と<必要証明書>が揃ったら、オンライン申請フォームにアップロード、申請事項を入力し送信します。
6月時点ではまだ準備中でした。
④審査
提出された書類を基に審査が行われ、助成金の支給が決定されます。
※書類に不備があると、審査や受給決定までに時間がかかり、予定の受給期間から外れる場合もあります。
助成金の受け取り方法
助成金の受給には交付申請と四半期に一度の利用状況報告が必要です。
<利用状況報告の流れ>
下記の手続きを年4回行います。
①必要書類を準備する
- 利用状況実績報告書
- 通所状況等報告書(フリースクール等に作成してもらう)
- 口座振替依頼書(都様式)
- 利用料の支払いがわかる書類
②通所状況等報告書を在籍校に提出し、必要事項を記入してもらう
③東京都に上記すべての書類を提出
④審査
⑤助成金受給
まとめ
「東京都フリースクール等利用者等支援事業(助成金)」は、不登校の子どもを持つ家庭にとって大きな支援となる制度です。経済的な負担を軽減し、子どもたちが安心して学べる環境を提供するためのこの制度を、ぜひ活用しましょう。
本記事の内容は2024年6月24日時点のものであり、認定要件や必要書類等は改めてご自身で公式サイトからご確認ください。
詳細な情報や申請に関する質問がある場合は、下記窓口にお問い合わせくださいね。
東京都の支援を受けて、子どもたちの明るい未来をサポートしていきましょう。