スクールカウンセラーとは?仕事・相談内容・実際の相談の流れをマルっと解説!

花辺 わこ

こんにちは!不登校専門社会福祉士の花辺です。

スクールカウンセラーの存在は知っているけれど、実際どのような人が担っていて、どのような流れで相談ができるのか、またどのような相談内容まで対応してもらえるのか、イマイチ掴みきれていない方も多いのではないでしょうか?

本記事ではスクールカウンセラーの仕事や相談内容、相談までの流れなど一連の概要を詳しく解説していきます。

今後、実際に相談に行かれる際の参考にしていただければ幸いです。

目次

そもそもスクールカウンセラーとは?

臨床心理士などの学校外の「心の専門家」が、スクールカウンセラーとして小中高校に配置されています。

しかし日本の全ての学校に配置されているわけではなく、配置率は小学校では7.5%中学校では75.2%高校では17.5%(平成18年調査)とスクールカウンセラーが全国均一に浸透しているとはまだまだ言い難いのが現状です。

雇用形態としては非常勤職員で、公立であれば自治体の教育委員会、私立であればその学校が雇用主となります。

必須の資格としての定めはないものの、その9割以上が臨床心理士や公認心理師残りの2割は医師や大学教員など相談業務経験に富んだ専門家が担っています。

また勤務時間は1校あたり1日3~4時間であり、大半のスクールカウンセラーが2~3校を掛け持ちで担当するケースが一般的です。

役割と業務内容

スクールカウンセラーの業務は、児童生徒に対する相談のほか、保護者及び教職員に対する相談、教職員等への研修、事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケアなど、ますます多岐にわたり大きな役割を担っています。

以下に主な業務内容を紹介します。

児童生徒へのカウンセリング・助言

スクールカウンセラーとして最もメインであり、実際の相談件数も最も多いのが生徒とのカウンセリングです。

基本的には生徒や親からの希望でカウンセリングが実施されますが、時には担任などが必要と判断した生徒をどうカウンセリングへ導くか、また日常的に学校内で生徒たちとかかわりを持ちカウンセリングのハードルを下げるような積極的な行動も求められます。

よく「相談内容は学校や先生にも共有されてしまうのか?(してほしくない)」と聞かれることがありますが、スクールカウンセラーとの面接はプライバシーの守られた状況で行われ、その内容は守秘されます。しかしながら必要と認められることは、カウンセラーの責任において学校や先生に報告することもあります。

保護者へのカウンセリング・助言

保護者のカウンセリングは保護者自身から面接を希望する場合と、担任などが面接の必要性を保護者に説得し、それに応じて保護者が面接にやってくる場合の2通りがあります。

いずれの場合でも面接内容について必要なことを介在した担任等に報告しなければなりませんが、たとえば担任や学校に対する批判が含まれていた場合には、伝え方や伝える相手をよく考慮してスクールカウンセラーとして問題を悪化させないよう慎重に共有を図ることになります。

教職員へのカウンセリング・助言

生徒や保護者の他に、学校の教職員のカウンセリングもスクールカウンセラーの仕事です。

また思春期の学生や不登校生への対応の仕方などのコンサル的なアドバイスを教職員向けにすることもあります。

校内会議等への参加

「学校外の専門家」という立場ではあるものの、学校との連携は不可欠であるため、担当している学校の会議などに参加する場合も多くあります。

教職員や児童生徒への研修や講話

不登校や思春期、虐待などのテーマについて講和をしたり、時にはロールプレイなど体験型の研修を行うこともあります。

学びの場を設け、知識やデータ、事例を共有していくことで、起こりうる問題を未然に防ぐことに役立ちます。

心理検査を用いた査定(アセスメント)

人格検査、発達検査自体を実施できるスクールカウンセラーは限られますが、その結果を理解することは求められるスキルであり、同時にその検査結果に関しての守秘義務が発生します。

ただしスクールカウンセラーは医師ではないため、何かしらの医療診断を明言することは禁止されています。

(医師だとしてもスクールカウンセラーとしての面接で診断することは避けるべきとされています。)

ストレスチェックや予防的対応

簡単なストレスチェック用紙(資料)を用いて児童・生徒の現在のストレスの蓄積の程度を把握することもスクールカウンセラーには求められます。

事件・事故等の緊急対応における被害児童生徒の心のケア

学校で、災害、事件、事故などによって危機的状況が発生したときには、スクールカウンセラーは緊急危機対応を行なわなければなりません。

PTSDなどについても十分な知識と対応力が求められます。

相談内容

スクールカウンセラーの配置が多い中学校について、文部科学省が調査(平成18年度)を行ったところ、約5割が児童生徒からの相談、約3割が教職員からの相談、約2割が保護者からの相談という結果に

児童生徒の相談内容においては多岐にわたり、以下のような割合が示されています(文部科学省令和2年調査結果)。

  • 不登校(24.9%)
  • 心身の健康(15.4%)
  • 発達障害等(11%)
  • 家庭環境(9.3%)
  • 友人関係(7.6%)
  • 学業・進路(6.8%)
  • 教職員との関係(1.5%)
  • いじめ(0.8%)
  • 児童虐待(0.8%)
  • 非行・不良行為(0.7%)
  • 暴力行為(0.5%)
  • 貧困問題(0.1%)
  • 性的被害(0.1%)
  • その他(20.7%)

不登校に関する相談が最も多く、不登校生数過去最多を記録している背景と一致する結果でした。

また近年は、リストカット等の自傷などますます多様な相談が増えているということです。

花辺 わこ

上記のような深刻な問題が発生していなくても、生徒さんは(予約不要なら)遊びに行く感覚でスクールカウンセラーを訪れてみるのもおすすめです。むしろ日ごろからスクールカウンセラーとかかわりを持っておくことでいざ問題が発生した際に相談しやすい等のメリットになります。

自分1人では不安という場合には、友達と一緒に訪れてみるのもおすすめです(^^)私も学生の頃、よく友人と訪れて他愛ない話をしたり、絵しりとりをしたりしていました(笑)

相談のイメージ、流れ

予約・料金

まずスクールカウンセラーに相談したいとなった場合、学校によって予約が必要な場合直接スクールカウンセラールームへ訪れていい場合があります。

保護者がカウンセリングを受ける場合は、基本的に担任などを通じて予約する必要があります。ただし、予約の際に相談内容を教員に伝える必要はありませんので、ご安心ください。

またスクールカウンセラーは公的な立場ですので、料金等は一切発生せず、無料で相談可能です。

カウンセリング・コンサルテーション

実際のスクールカウンセラーとのカウンセリングでは、相談者の悩みや不安を傾聴の姿勢で聞き、受容・共感に重きを置きます

対象が教職員の場合には、コンサルテーション(臨床心理学的な観点からの適格なアドバイス、コメント)も適宜行います

保護者に対しては直接自分の子供や家族のことではない相談である場合にはコンサルテーションすることもあります。

例えば、「不登校の子をもつママ友とどう接するべきか」「隣の家から虐待らしき物音、罵声などが聞こえるがどうしたらいいか」などの相談に対し、具体的な相談機関や報告先などを伝えたりします。

このことから、スクールカウンセラーは自身のこどもや家族についての相談をする保護者に対しアドバイスや具体的な行動を促すことはかなり限られると考えられるでしょう。

その結果、「不登校は心のエネルギー切れかもしれないので、一旦見守ってみましょう。」という対応をするスクールカウンセラーが多く、スクールカウンセラー以外の積極的な復学支援を行う不登校支援団体などへ問い合わせが増えているとも考えられます。

スクールカウンセラーに相談をする際の注意点

前項で述べたように、スクールカウンセラーにはできる助言、できない助言があるため、必ずしもその助言が最適解であると信じ込むことはしないようにする必要があります。

不登校相談一つ取っても、「見守り」「積極的な復学支援」「転校やフリースクールなど別施設への通学」など子どもと家庭の状況で進むべき道は様々です。

この進むべき道を導くには短時間・短期間のカウンセリングでは難しく、相談先と一定期間ともに考え、ともに歩んでいく過程が重要です。

スクールカウンセラー以外でアドバイスをもらい実践している場合、アドバイスの方向性が一致していないと子どもが混乱してしまうため、アドバイスを受ける支援先は1つに絞ることをおすすめしています。

スクールカウンセラーの課題

スクールカウンセラーの拡大に伴い、下記のようなスクールカウンセラーの課題も浮き彫りになっています。

  • スクールカウンセラーの活用方法において、教職員、学校、都道府県等によって大きな差がある
  • 資質や経験に違いがみられる
  • 都市部以外では人材不足が懸念されている
  • 非常勤という不安定さ、勤務時間数が限定されていること等、相談体制の不十分さ
  • 相談時間が短いことや、曜日が限られていることから、児童生徒や保護者が相談したいタイミングに相談できない

まとめ

以上、長くなりましたがスクールカウンセラーについて理解は深まったでしょうか?

  • 「外部性」を持った専門家として児童生徒と教員とは別の枠組み・人間関係で相談することができること
  • 相談の場が学校内にあること
  • 公的な制度のため費用が一切かからないこと

上記のメリットによって、スクールカウンセラーへの相談はハードルも低く早期問題解決のきっかけにもなり得ます。

子どもや家庭内のことで悩みがあるとき、または気になる兆候があるときなど、まず最初の一歩としてスクールカウンセラーを訪れることも検討の余地は十分ありそうですね。

実際に足を運ぶことはないと思っている場合でも、予約方法などは事前に情報収集しておくことで、いざとなった場合すぐに動くことができます。

花辺 わこ

私、花辺も無料相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。一緒にお子さんの未来をサポートしていきましょう。

あなたとお子さんがより良い未来を見出し、そして心からの本当の笑顔を取り戻すための一歩を踏み出すお手伝いをさせてください(^^)

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