【不登校でも出席に】出席扱い制度はフリースクールOK?高校は?メリット・条件・手続きまで【文部科学省発表】

「出席扱い制度」は、文部科学省が令和元年(2019年)に発表した、不登校の子どもたちが特定の条件下で学校に出席していない場合でも出席していると見なす制度です。

この制度により、フリースクールや別の教育機関で学んでいる子どもたちが欠席扱いにならず、別環境で頑張っていることを学校が認めてくれる形が実現しました。

一方で、継続した学校との連携・報告などクリアすべき項目がいくつかあります。

詳しくわかりやすく解説していきますね!

目次

出席扱い制度の概要

目的・メリット

出席扱い制度は学校復帰の際のハードル(ギャップ)を最大限小さくすることを目的に設けられました。

多くの場合、学校に出席しないことで勉強に遅れが出てきます。ここが学校復帰を更に難しいものにさせてしまい、なんとか再登校を果たしても授業内容についていけないことが挫折の原因にもなり得ることも

学校以外の教育機関×家庭×学校が協力し合うことによって、登校する意欲の向上を期待し設けられた制度と言えます。

裏を返すと、「最終目標は学校復帰」が求められているということになり、本制度を利用する際は本音はともかく、表向きには必ず「学校復帰を目指している」という気持ちを表しておく必要があります

高校は対象外

  • 不登校や学校に通うことが困難な小学校・中学校の児童生徒
  • フリースクールなど学校外の施設で学んでいる

残念ながら高等学校の不登校生徒は対象外となります。


条件

文部科学省からは7つの条件が提示されていますが、いまいち理解しにくい部分も。

つまりは、

  • 保護者と学校が同じ方向性で連携・協力できること
  • ITなどによる学習が提供されていること
  • 対面指導が適切に行われること
  • 計画的で習熟度に基づいた学習プログラムが提供されていること
  • 校長が対面指導や学習活動を十分に把握していること
  • 学校外の機関や施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること
  • 学習活動の評価は、学校の教育課程に照らし適切と判断される計画や内容であること

が求めらています。

(1)保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること。
(2)ICT等を活用した学習活動とは,ICT(コンピュータやインターネット,遠隔教育システムなど)や郵送,FAXなどを活用して提供される学習活動であること。
(3)訪問等による対面指導が適切に行われることを前提とすること。対面指導は,当該児童生徒に対する学習支援や将来の自立に向けた支援などが定期的かつ継続的に行われるものであること。
(4)学習活動は,当該児童生徒の学習の理解の程度を踏まえた計画的な学習プログラムであること。なお,学習活動を提供するのが民間事業者である場合には,「民間施設についてのガイドライン(試案)」(別添3)を参考として,当該児童生徒にとって適切であるかどうか判断すること(「学習活動を提供する」とは,教材等の作成者ではなく,当該児童生徒に対し学習活動を行わせる主体者を指す。)
(5)校長は,当該児童生徒に対する対面指導や学習活動の状況等について,例えば,対面指導に当たっている者から定期的な報告を受けたり,学級担任等の教職員や保護者などを含めた連絡会を実施したりするなどして,その状況を十分に把握すること。
(6)ICT等を活用した学習活動を出席扱いとするのは,基本的に当該児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合に行う学習活動であること。なお,上記(3)のとおり,対面指導が適切に行われていることを前提とすること。
(7)学習活動の成果を評価に反映する場合には,学校が把握した当該学習の計画や内容がその学校の教育課程に照らし適切と判断される場合であること。

文部科学省

利用実績

令和3年度の実績(※)を見てみると、小学校では約5%、中学校では約4%が本制度で出席扱いとなっています。

まだ始まったばかりの制度ということで認知度が低く実績としては駆け出しと言えるでしょう。

しかし今後需要が伸び、手続きや諸条件も多くの生徒が利用しやすい制度へと変化していくことが予想されます。

令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

出席扱い制度のデメリットと課題

利用までの努力が必要

出席扱いを受けるため、最初は親が学校側に働きかけ、理解してもらう努力を必要があります

親だけでなんとかしようとせず、利用している学習機関や教育施設などと相談・協力して資料の作成など行うようにしましょう。

認定基準のばらつき

最終的な利用の可否は校長や教育委員会などが決定を下すため、学校や校長の考え方・スタンスによって、同じ条件でも結果が異なるケースがあり得ます。

文部科学省の発表では、下記のような留意事項が記されています。

一人一人の児童生徒の状況や学校,地域の実態が違うため,文部科学省から一律の基準を示すことはしていません。しかし,児童生徒の努力を学校として評価し,将来的な社会的自立に向けた進路選択を支援するという趣旨から,学校や教育委員会において一定の基準を作成しておくことは必要であると考えます。

また,既に基準を作成している場合でも,それが古いものであれば,今の時代の状況にあったものになるよう見直すことも検討すべきです。

文部科学省

学習機関のばらつき

出席扱い制度の申請で必要不可欠な学校以外の学習機関の利用

民間が運営している場合がほとんどのため、内容や形式、質はさまざまです。

まずは出席扱い制度に慣れている機関や施設を基準に調べてみるのがおすすめです。

実際の手続きの流れ

まず保護者が理解を深める

まだ制度ができてから日が浅いこともあり、実際に制度を利用したことがない学校も多いでしょう。

まずは制度の内容や具体的な申請準備について理解を深めていきましょう。

学習機関先と相談して申請の進め方など確認しておくと安心です。

担任の先生へ相談

学習機関先と出席扱い制度申請について方向性が一致したら、担任の先生に相談してみてください。

先生がまだこの制度をあまり知らない場合には、文部科学省の資料などを見せ、制度の説明を交えながらお話してみましょう。

校長へ打診、学校での協議

そして先生から校長へ話を上げてもらい、学校や教育委員会での協議をしてもらいます。

報告書の作成

無事、制度利用可能となれば終了!とはいかないのがこの制度。

学習内容や出席状況を定期的に報告し、学校に情報を提供します。

これは子どもや親御さんのみで作成できるに越したことはないのですが、負担が積み重なってしまわないよう注意が必要です。

計画表や実施履歴などデータで渡してもらえる、出席扱い制度に慣れている学習機関を選ぶとスムーズで安心ですのでおすすめです。

まとめ

出席扱い制度は、不登校や学校に通えない子どもたちにとって重要な支援制度です。

適切な手続きを踏むことで、フリースクールや別の教育機関での学びを公式に認めてもらい、学業を継続することが可能です。

まだまだ駆け出しの制度である以上、曖昧な点も多く、実績も少ないため、手さぐりで進めることも多いと思います。

何事も一人で・家庭内で抱え込まず、第3者や専門機関へ相談し協力を仰ぐことを忘れないでくださいね。

「もう右も左も何もわからない!調べるのも疲れた!」という場合は、私が最初のご相談窓口となりお話を伺います。

下記フォームより、お気軽にお問い合わせくださいね。

親子の本当の笑顔を、一緒に取り戻しましょう。

それでは!

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